人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

今日のストアー

kinostore.exblog.jp

レモンケーキ誕生秘話:1

私がレモンケーキというものを知ったのは、沖縄に住んでから。
キラキラ光る銀色の袋に“Lemon Cake”の筆記体。
それ以外に他の情報は何もない。
なかは開けてからのお楽しみ!的な姿に、
ますます魅力を感じたものです。

レモンケーキ誕生秘話:1_e0287190_1323216.jpg


わくわくとしながら袋を開けて姿を現したのは、
レモンのカタチをしたスポンジ。
どこのお店のものを買ってもほぼ同じ姿で、
上からレモンの香りのする黄色いチョコレートがかかっています。
きらびやかなパッケージとは裏腹に、なんともやさしい色合い。

レモンケーキ誕生秘話:1_e0287190_1323556.jpg


味も見た目同様、素朴でやさしい味わい。
そして、なんだかとっても懐かしい。

レモンケーキ誕生秘話:1_e0287190_1323718.jpg


最初こそほわほわと夢のように食べてしまったけれど、
忘れた頃にまた食べたくなって、
いつのまにかじわじわと
私のなかのお菓子ランキング上位になりました。

レモンケーキは、沖縄ではシーミー(清明祭)や旧盆に
お仏壇にお供えするお菓子としても有名で、
ウートートー(仏壇に手を合わせる)したあと
ウサンデー(供物をお下げすること)してから
このレモンケーキを食べるのを
楽しみにしているこどもも多いとか。
そんな話も見聞きしていたので、
レモンケーキは私のなかですっかり“沖縄のお菓子”になりました。

と同時に、自分のなかにフツフツと沸き上がる
「こんなすてきな沖縄菓子をもっと県外の人にも伝えたい!」
という、したたかな想い。


しかしながら、そんな私の願いはもろくも崩れ去るのでした…。




つづく。
# by kinostore | 2012-08-19 13:41

そもそものきっかけは。

今秋、沖縄県の北部、宜野座村という小さな村の一角で
焼き菓子やパンを販売するお店を始めます。

お店の名前は「きのストアー」。

「きの」は、東京在住時に夫とふたりで経営していた
お弁当屋さんの屋号。
名前が“まきの”で、そこから“ま”を抜いて「きの」。
間が抜けているからちょうどいいね、と決めた店名です。
そして“ストアー”は沖縄の集落にある商店などによく使われる名前。
地域の憩いの場として愛される、
そのほのぼのとしたイメージが好きで
ふらりと寄ってもらえたらいいなぁという願望を込めました。


そもそものきっかけは、
ふたりのこどもたちが学校に通えるようになったら
自分の手でまた何かを始めたいと思っていたこと。
7年前に沖縄に移住してから今までの日々を綴った
2つのブログ「おきなわのくらしかた」()を通して
発信してきた台所仕事を、いつか何らかのカタチで
人に伝えていけたらいいな、とぼんやりと夢見ていました。
それが料理教室なのか、お菓子屋さんなのか
パン屋さんなのか、お惣菜やさんなのか…
もしくはまたお弁当屋さんを再開するのか…!?

色々考えて考えて出した答えは、「お菓子屋さん」。
それも大好きな沖縄の焼き菓子をたった1種類だけ売るお店!
(と、そのときは思っていました…)
候補は2つ。
「くんぺん」か「レモンケーキ」。
どちらも、私が沖縄に住んで初めて知って、
時を重ねるほどにじわじわと心に染みたお菓子です。

どちらも何度も試作を繰り返して、
友人たちに味見や意見を聞かせてもらって、
最終的に「レモンケーキ」に決めました。



次回は、そんな「レモンケーキ」のお話を。
# by kinostore | 2012-08-17 17:32