私のおばあちゃんは、
私が生まれる前からずっと東京に住んでいて、
それも東京のど真ん中、TBSのすぐ裏手に住んでいたから
私はおばあちゃんのことをずっと
「赤坂のおばあちゃん」と呼んでいました。
けれど、遊びに行くといつも一番に聞く声は
「よう来てくれはったなぁ〜おおきに。」だったので、
子供心にいつも「なぜ大阪弁なんだろう?」と
不思議に思っていたものです。
自らの半生を大きく語るわけでもなく、
いつも孫の話に耳を傾けてくれていたおばあちゃん。
なぜ故郷を離れ関東に移り住んだのか、
もっとおばあちゃんの人生を聞いてみたかったな、と
今更ながら後悔しています。
そんなわけなので、おばあちゃんのお墓こそ大阪にあれど、
私は大阪のことをまったく(本当にまったく!)知りません。
だからそんな意味でも、
今回の旅は私にとって、とても貴重な経験となりました。
*
お墓へ行く前に、両親と
難波にある「OCAT」
(大阪シティエアターミナル)で待ち合わせ。
関空からはリムジンバスで45分ほど。
乗客も数人しかいなくて、快適そのもの。
そこからテクテクと歩いて、今回の旅で唯一の
(!)外食。
道頓堀にある「
今井」へ。
この写真だけ見ると、さぞかし閑静なところに感じますが、
両隣にも向かいにもびっちり派手なビルが建っていて、
すぐ隣にはくいだおれ太郎さんがいるし、
振り向けば有名なカニが足をゆらゆらさせているような
そんな賑やかな場所にひっそり佇んでいるのです。
このひっそり感、たまりません〜!
店内も落ち着いた雰囲気で、私のなかでは趣味ど真ん中!
(笑)そして、きつねうどんと鯛笹まきずしとわらび餅という
これまたど真ん中のセットをいただきました。
おあげが甘くておいしいー!
ネギも種類や切り方が関東とは違うし、もちろん出汁も全然違う。
関西の人が関東のうどんつゆを見たら
そりゃギョッとするよなぁ…と改めて思いました。
その後、叔母とも合流し、
無事おばあちゃんに手を合わせることができました。
高台にあるお寺の、ちょうど銀杏の木陰にお墓があって。
風が通る素敵な場所でした。
赤坂の家もそうだったけれど、
おばあちゃんはいつも
都会のど真ん中なのに緑が豊かで閑静な場所にいる。
いわばオアシスのような。
それも、ひととなり、なんだろうなと思います。
ありがとう、おばあちゃん!
つづく。