今までお店のお菓子を一つずつ紹介してきて、
最後の最後まで残していたのがドーナッツです。
というのも、“ドーナッツ”は私のなかで
このうえなく大好きなお菓子で
語るには膨大な時間を要するわ…と思っていたからです。
(笑)
お店を始めるまでの長い間、主婦として
いったいどれくらいのドーナッツを揚げてきたことでしょう!
気になるレシピがあると試さずにはいられなくて、
ありとあらゆるものを試しました。
そのなかで、最後に行き着いたのが、
アメリカはシアトルにある『
Top Pot』でした。
そもそもこのお店に行き着くまでには、
AppleFritterという謎のお菓子を紐解くことに始まります。
dough(生地)を切り刻んでまたまとめる、という
なんとも不可解でなんとも魅力的な揚げ菓子の秘密を知りたい!
そこで出会ったのがTopPotのレシピ本だったのです。
Top Pot Hand-Forged Doughnuts: Secrets and Recipes for the Home BakerMark Klebeck Michael Klebeck Jess Thomson
そしてできあがったアップルフリッター。
とってもおいしくて好きな味だったけれど、
アップルを使うのはマフィンと決めていたのでお蔵入り。
けれど、このアップルフリッターのレシピと同じ本に出ている
ドーナッツを作ってみたときに衝撃が走りました。
「なんておいしいんだろう!」
それからは、その味を自分の口に合うように、
なにより身体の負担にならないように、
素材を吟味しながら試作を繰り返しました。
最終的にはTopPotとは
まったく別のレシピになってしまったけれど、
私の心はいつもTopPotです。
(笑)
そんな想いでできあがった、ストアードーナッツ。
左が、キャラメルオールドファッション。
右が、シナモンシュガーケーキドーナッツ。
このふたつ、味わいや食感は正反対。
当然、生地も作り方もまったく異なります。
なので人によって好みもきれいに分かれます。
私たち夫婦のなかでは、
私はケーキドーナッツ派、夫はオールドファッション派です。
どっちも好き!という人にはなかなか出会わないのが
おもしろいところですが、
一つだけ共通して言えることは、
ドーナッツとコーヒーは最高の組み合わせだということです。
あ、そうそう!!
きのストアーのドーナッツが初めての方には、
どちらの味もひとくちずつ味わえる
ドーナッツホールもおすすめです。
名前のとおり、ドーナッツの穴の部分!
ドーナッツの生地を型で抜くときにできるものです。
意外と知らない方が多くて、
説明すると「なるほど〜!」って感動されます。
生地は何度もまとめ直すと食感が変わってきてしまうので、
穴の部分の生地もまとめずそのまま揚げてしまいます。
このドーナッツホールは小さなお子さんにも人気で、
ドーナッツそのものより
先に売り切れてしまうことがほとんどなのですが、
もし見かけたら、こちらもぜひお試しくださいね。
このドーナッツへの熱い想いにはじつは続きがありまして。
それはまた、後日お話させてください。