きのストアーのマフィンは、いつも2種類。
ブルーベリーマフィンとアップルマフィン。
オープン当初はアップルマフィンだけを定番にして、
もう一種類は週替わりで
いろいろな味をご用意していたのですが、
2ヶ月ほど前からブルーベリーマフィンを
新たに定番にすることに決めました。
なぜなら。理由は単純明快で、
“ブルーベリーマフィンが好きだから!” です。
最初はあまりにスタンダードなフレーバーゆえ
おもしろみに欠けるだろうと敬遠していたのですが、
きちんと一から作ったスタンダードのおいしさを伝えることこそ
きのストアーが目指す“商店”としての仕事だろうと思い直し、
原点に戻った結果でした。
火を通したブルーベリーのおいしさを知ったのは、
当時住んでいた家のすぐ近くにあった
OKURAに併設されたカフェ
ボンベイバザーのOKURA焼きでした。
大判焼きの生地のなかに
これでもか!というくらいたっぷりブルーベリーが入っていて
ひとくち食べれば仕事で凹んだこともすっかり忘れられた、
まさに私にとっての救世主でした!
笑)
あれから10年以上経った今も
あの味がそのままあると知ったのはつい最近のこと。
移り変わりの激しい東京において、すごいことだと思います。
きっと私のように想い出とリンクしている方も
多いんじゃないかなぁ。
私がきのストアーで目指したいのは、まさにこの気持ち。
いつかお店の味を懐かしんでもらえるようになるまで
気長に、でもしっかりと続けていきたい。
そう改めて思いました。
*
きのストアーのブルーベリーはカナダ産。
小粒ですが香りはしっかり。
マフィン生地全体に行き渡る感じもお気に入りです。
それから、ブルーベリーマフィンの生地自体には
バターを使用せず、クランブル部分にのみ
少量のバターを使っています。
シンプルな素材ゆえ、バターのどっしりとした香りが
邪魔をしてしまう気がするからです。
代わりに使っているのは、なたね油。
非遺伝子組み換え
(NON GMO)の
オーストラリア産なたねを使用した
鹿北製油のなたね油で、
添加物や化学薬品等も使用していません。
クセがなくさらっとした油なので、
粉
(北海道産ドルチェ)本来の味わいを
そのまま感じていただけるかと思います。
レモンケーキやココナッツモチ、
キャロットケーキなどの個性的なラインナップのなかにおいては
とっても地味で目立たない存在のブルーベリーマフィン。
あえて“おすすめです!”とは言ったことがないけれど、
私がひときわ大切にしている大好きなお菓子です。