店頭に立つと、カウンター越しに我が家の小さな畑が見えます。
お客さまがいないときは、
ここから風にフラフラと揺れる葉をぼんやり眺めて
これからの人生についてちょっぴり考えたりしています。
笑)
お菓子を焼いたり料理を作ったりするのは
ちょっぴり自信があるのですが、
庭仕事にはまったくもって自信がありません。
庭のある一軒家に住んだらあれもこれも育てたい!なんて
ずっと夢に見ていたはずなのに、実際に住んでみたら
ものすごく苦手なことがわかりました。
興味がないわけではないけれど、
どこかで“こりゃ向いてないわ!”と
匙ならぬスコップを投げたのです。
そんな事情なので、お店を始めるまで我が家の庭は荒れ放題!
けれどお店を始めるにあたり庭もきれいにしていただいて
ハーブくらいは育てたいなぁ
(が、しかし苦手ですとも告白。笑)
とお話したところ、ここがいいんじゃないですか?と
お店の前の小さなスペースを空けてくれました。
そして、ホームセンターでいくつか苗を買ってきて
穴を掘って植えました。何も考えずに土をペンペンと。
それがね、今回はなんだかこれは楽しいぞ!と
初めて思えちゃったのです。
その理由が最近になってわかったのですが
畑が足元にあるのではなく腰高にあるから。
ええ??って思うかもしれませんが、
よいしょって屈んで足をグラグラさせながら作業するのが
私にはどうも苦痛だったみたい。
ここの場所なら立ったままの姿勢で目の前に土と植物があって
まるでキッチンに立つ感覚と同じなのです!
一番スクスク成長してもう何度も収穫しているのが、レタス。
我が家の畑テーマは“ちょっとあるとうれしいもの”なので、
他にも、ローズマリーや
先日の
深海魚パイにも使ったディル。
それから、ミント、イタリアンパセリ、セロリ、バジル、
あ、最近はトマトも仲間入り。
そして極めつけは食べ終わったネギ!
なんだか兄弟みたいだね、と息子が笑っていましたが、
実験がてら植えてみました。
こどもたちもそのままの目線で眺められるから
とても楽しいみたい。
いつしか休みの日には家族全員で
畑を手入れをするのが習慣になりました。
先週のお休みも家族みんなで雑草抜き。
合間のおやつに蒸しパンを作りました。
外で食べるとまた格別なのよね!
週に3日の営業で他の日は何してるんですか?
なんてよく聞かれるのですが、
別にだらけようと思っているわけでもなく、
日々の暮らしと真っ正面から向き合うと今はこのペースが精一杯。
私が作るお菓子で誰かが元気になって、
同時に、ふたりの子どもたちを夫婦で支えていけたらいいな、と。
きれいごとで暮らしていけるとは思っていないけれど、
私たちの目指す“豊かな暮らし”って
もしかしたらこういうことなのかな、って
思い始めていることだけは確かです。