レモンケーキのお店を始めると決めてから、
今日まで一体何個の試作レモンケーキを食べたことでしょう…。
当初は、市販のレモンケーキの材料を
厳選した材料に置き換えることで
オリジナリティーを出そうと考えました。
国産小麦に自家製レモンピールを混ぜ込み、
バターを入れて風味をプラスし…といった具合に。
そうすることで確かにリッチで本格的な味にはなったけれど、
不思議なことに、こだわって作れば作るほど
自分の好きなレモンケーキのイメージからは
どんどんかけ離れていきました。
なんだろう、この一抹の寂しさは…!
それからうーんうーんと3日くらい寝ないで考えて
(笑)
レモンケーキが誕生したであろう昭和の世界へ向かうべく
引き出しを開けてタイムマシーンに乗りました。
元々昭和で生まれ育ったのだから、そんな難しいことじゃない。
母から受け継いだ古いお菓子の本をひっくり返し、
ついでに小さい頃のアルバムを見て自らの変貌ぶりに驚愕し、
試作と試食を繰り返し、ときには親族友人を巻き込んで
ようやく自分自身で納得できるレモンケーキが完成しました。
きのストアーのレモンケーキ。
ふわふわ軽いスポンジに甘酸っぱいレモンクリームを詰めて、
レモンチョコの海にチョポンと頭を浸したら
最後に昭和の香り満載のドレンチェリーで画竜点睛!
家族のおやつとして自宅で作るものは
味も見た目も素朴な茶色いお菓子が好きだけれど、
お店で買うお菓子はいつでもワクワクしていたい。
今回、私がお店を始めようと決めたときに
テーマのひとつとして掲げたスローガンです。
*試作段階でお友達が注文してくれたバースデーレモンケーキ。
*母の誕生日にも。